- 【名前】鈴木貴子
- 【性別】女
- 【年齢】37歳
- 【職業】工場勤務
- 【住んでいる場所】静岡県裾野市
- 【借金額】400万円
- 【どこからお金を借りたか】楽天カード、オリコカード、セゾンカード、アプラス、スルガ銀行、アコム
- 【借金の理由】元夫が働かなくなり離婚。子供3人を抱えての母子家庭になったため
突然の工場閉鎖ですべての歯車が狂い出す
元夫が長年勤めていた工場が突然閉鎖することになりました。
家は購入したばかりで住宅ローンがまだまだ残っている最中の出来事でした。
東北への転勤か希望退職を迫られ、以前からの夢だった車関係の仕事で起業したいという夫の意向を尊重することになりました。
希望退職者にはプラス500万円を上乗せしてくれるということで退職金は1300万円ほど。
私も元夫も不安というよりは期待に胸をふくらませての円満な退社でした。
しかし、実際に元夫が退職してから家族のバランスが少しずつ崩れ始めます。
退職金を使って起業のための準備を進めていくと意気込んでいたのに、いざ退職すると元夫は家でゴロゴロするようになったのです。
今思えば、1300万円もお金があるという安心感と仕事に行かない状態にすっかり慣れきってしまったのだと思います。
1300万円があっと言う間に50万円に…
元夫の起業を手伝うために私はWebデザインの学校に通い始めました。
費用はもちろん退職金から支払いました。
ほかにも気が大きくなっていたのか、新しい車を買ったり、しょっちゅう外食するようになったり…。
このころは私も元夫も完全に金銭感覚が麻痺していたと思います。
私は平日は朝から夕方まで学校に通っていたため、当時働いてはいませんでした。
その間、元夫はなにをしていたのか?といえば、起業準備をするでもなく働くわけでもなく。
ただ1日中スマホのゲームをして遊んでいたようです。
そうこうしている間にも日々お金だけはかかります。
食べ盛りの子供たちが3人もいるのですから食費だけでも馬鹿になりません。
元夫の母からは「1000万円なんて1年であっという間に使い切っちゃうわよ。お金があるうちにさっさと起業準備を始めないと…」といわれていたのに何の危機感も持たなかった私たち夫婦。
そして義母の言葉通り、1300万円もあった退職金がなんとわずか1年あまりでたったの50万円にまで減ってしまったのでした。
元夫から切り出された離婚話
我が家の家計が危機的状況であることを元夫に話しました。
そして「起業するのが嫌になったのならそれはそれでかまわない。ただ仕事をしてほしい。私も働くから…」とお願いしましたが、なんと元夫は働くことを拒否したのです。
「家族のために働くのが嫌になった。離婚してほしい」というのが元夫の言い分でした。
突然の離婚話にパニックになる私でしたが、両家の家族も交えながら何度も何度も説得をしました。
しかし、残念なことに元夫の気持ちが変わることはありませんでした。
最終的には義父の「結局悪いのは貴子さん」という一言で私自身も「もうこの一家と関わるのは嫌だ」と思うようになり、離婚を決心しました。
ちょうど一番上の娘が中学校にあがる直前の出来事でした。
お金のないまま母子家庭に
独身時代の少ない貯金からなんとか新居への引越しを完了させたものの、家具や家電などの生活必需品を買うお金は一切ありませんでした。
私が一人で暮らす分にはダンボールの机でもなんでも良かったのですが、子供たちにひもじい思いをさせることだけはどうしても嫌でした。
どうやってお金を工面すればいいのか…と頭を悩ませている時に、ふとクレジットカードを4枚所持していることを思い出しました。
「そうだ。クレジットカードのボーナス払いで家具やら家電を買えばいいんだ!」
ボーナス払いだったら8月までは金利もかからないし、8月までにはいっぱい働いて絶対にお金を返せばいい!
そう考えた私はクレジットカードを使ってバンバン買い物をするようになりました。
以前の家からは本当に何ひとつ持たずに引っ越してきたのですべて買い揃えました。
8月までには絶対にお金を準備するし、もし最悪用意出来なかったらリボ払いに変更すればいいんだ…と甘い考えでいた私。
しかし、はじめは意気込んでいたものの途中からどんどん無気力になっていきました。
なぜか頑張ろうと思ってもどうしてもやる気が出ないのです。
子供が3人もいるのに…、いや、だからこそプレッシャーの大きさに負けてしまったのかもしれません。
母子家庭になってから働けなくなってしまった私は一日中家にこもってお金の心配をするようになりました。
働けばいいだけのことなのにどうしても働く気になれず、でも生活の水準を下げることも出来ず…。
私はクレジットカードのキャッシングも利用するようになり、毎月の返済をキャッシングで返すようないわゆる自転車操業に陥ってしまったのです。
アコムでお金を借りる
クレジットカードのキャッシングでもどうにもならなくなった私は、電気店でカメラなどを購入してオークションで転売するようになりました。
結局それも自分の首を絞めているだけなのですが、その当時はどうしても外に出て働くことが出来ませんでした。
そのうちクレジットカードのショッピング枠も限度額に近くなり、やがて転売することすらも出来なくなりました。
窮地に立たされた私は、審査がゆるいと評判のアコムでお金を借りるべく無人契約機へ足を運びました。
当初、30万円を希望していましたが結局借りられたのは10万円だけ。
それでも当時の私にとってはありがたいお金でした。
いま思うとなぜこんな私に10万円もお金を貸してくれたのだろうと不思議でたまりません。
食事を見直すことで気持ちが前向きに
アコムにまでお金を借りるというような状況になってやっと自分がおかしいことに気づいた私。
なにがいけないのだろうか?と一生懸命考えて出した答えが生活習慣の見直しでした。
私は毎日の食事を作る気力すらなく、お惣菜や冷凍食品、インスタントラーメンなどを食べるようになっていましたがそれらを一切やめました。
自分で作れるものはすべて手作りにし、口に入れたものがドロドロの状態になるまでよく噛んで食べることにしたのです。
するとどうでしょう。
少しずつ体の状態が良くなり、それと同時に気力ややる気も沸いてくるようになったのです。
子供たちも体にいいものを食べているからか、添加物たっぷりのお菓子などを欲しがらなくなり、必然的に食費が減りました。
あれほど外食好きだった私がそれ以来一度も外食していないのですから、本当になにを食べるかは人間にとって重要なことだと痛感させられます。
やる気を取り戻した私は仕事も出来るようになり、今は毎日一生懸命働いています。
リボ払い地獄で働いても働いても借金は減りませんが、元気に働けること、食事が出来ることが今は本当にありがたいです。
4月からは正社員になることも決定しており、これでまた少し生活が楽になると思います。
自分が作ってしまった借金は時間がかかっても絶対に返していくつもりです。
それがいまの私の生きがいになっているのだから人生はわからないものだなと感じます。