- 個人再生後に返済できないとどうなる?
- 個人再生後に振り込みを忘れるとすぐに一括返済になる?
- 個人再生後に返済できなくなった場合の対処方法とは?
など気になることがあると思います。
そこでこの記事では個人再生後に返済できなくなった場合について詳しく説明していきます。
1.個人再生後に返済の遅れや滞納でどうなるのか?
個人再生の手続きをする当時は問題なく返済ができると思っていても、実際に返済が始まったら返済が苦しいこともありますよね。
中にはうっかり振り込みを忘れてしまって返済に遅れるなんてこともあるかもしれません。
個人再生後に返済できなくなると、再生計画が取り消される可能性があります。
民事再生法によると、返済を怠った場合には、再生計画の取り消しが行われることになっています。
第百八十九条 再生計画認可の決定が確定した場合において、次の各号のいずれかに該当する事由があるときは、裁判所は、再生債権者の申立てにより、再生計画取消しの決定をすることができる。
二 再生債務者等が再生計画の履行を怠ったこと。
民事再生法には特に回数などが記載されていないので、1回でも滞納してしまうと、再生計画が取り消される可能性があります。
つまり、借金額が個人再生で減額される前に戻って、請求されることになります。
借金がもとに戻ってしまっても、借金の返済はできないと思います。
その場合には、債権者は裁判を起こして、強制執行による財産や給料の差し押さえを実行してくるでしょう。
2.個人再生後に返済を1日でも忘れるとダメなのか?
法律に則った解釈では、1回でも返済できなかったり、1日でも返済を送れるとアウトです。
しかし、実際には1回程度であれば、債権者は個人再生を取り消しを行うことはありません。
うっかり振り込みを忘れてしまう人も中にはいますからね。
債権者もわざわざ裁判所に再生計画の取り消しの申し立てを行うのは大変です。
また再生計画を取り消しにすると、自己破産をする人が多く借金を回収できなくなるので、1回うっかりと支払いを忘れた程度では大丈夫です。
とはいえ、何らかの事情で返済に遅れることが分かっている場合には、事前に連絡をすることをおすすめします。
債権者には1回の返済の遅れで再生計画を取り消す権利があるので、できる限り印象が悪くならないように努力したほうがいいです。
・何回までなら返済に遅れても大丈夫なのか?
この疑問に答えるのは非常に難しいところで、債権者によるとしか言いようがありません。
1回の返済の遅れではよっぽどのことがない限り、再生計画が取り消されることはありません。
しかし2回目以降になると、再生計画が取り消される可能性は十分にあります。
返済の遅れは1回までと思っておいた方がいいです。
2.個人再生後に返済できなくなった場合の対処方法とは?
個人再生をする際に立てた再生計画通りに返済をすることができればよいのですが、中には返済することができなくなることもあるでしょう。
例えば、会社が倒産する、リストラされる、病気になるなどで収入が激減することもあります。
再生計画は慎重に立てられるものですが、こういったことが起こると返済できなくなっても不思議ではありません。
そういった時のために、いくつかの救済措置があります。
- 最大で2年の返済期間の延長できる
- 返済が免除される免責が受けられる(ハードシップ免責)
・最大で2年の返済期間の延長ができる
やむをえない理由(リストラ、病気など)であれば返済期間の延長ができます。
ただこれには明確な基準があるわけではなく、債権者が同意するかどうかがポイントとなっています。
期間延長が認められると、支払い期間が3年の場合は5年、5年の場合は7年まで延長することができます。
これによって返済額が減額することはありませんが、返済期間が延びることで月々の返済が楽になります。
・返済が免除される免責が受けられる(ハードシップ免責)
返済期間を延長しても、すべて返済することができそうにない場合には特別措置としてハードシップ免責を受けることができます。
ハードシップ免責を受ければ、残っている借金の返済をする必要がなくなります。
ただし、ハードシップ免責には以下の4つの条件を満たす必要があります。
- 返済している人に責任のない事情で支払いが難しくなった
- 既に返済額の4分の3以上を返済している
- 免責をしても、債権者の一般利益に反しない
- 返済計画の変更では賄うことができない
・返済している人に責任のない事情で支払いが難しくなった
生活にあまり必要のない高級ブランド品を買ったために支払うことができなくなったとしても免責は受けることはできないでしょう。
あくまで真面目に返済をしていたが、
- 会社をクビになった
- 大きな病気にかかって入院の必要がある
などのやむを得ない事情によって収入がなくなり返済できなくなった場合に限られます。
・既に返済額の4分の3以上を返済している
4分の3以上であれば、ほぼ返済しているみなすことができるので、免責しても問題はないというわけです。
・免責をしても、債権者の一般利益に反しない
これを言い換えると、自己破産をしたときよりも大きい金額を債権者に支払っている状態であるということになります。
自己破産をした時よりも少ない返済額だと、業者の反対が強くなるためにあります。
例えば、個人再生で減額された金額が150万円の場合に資産を140万円持っていたとします。
自己破産をしていたら、債権者には140万円手に入ることになります。
なので、この場合には140万円までは返済していないといけません。
・返済計画の変更では賄うことができない
期間を延長することで返済することができるのであれば、前述したとおり最大で2年間の期間延長が認められています。
その期間延長をしても返済できない場合に免責を受けられる可能性があるということです。
ちなみに、ハードシップ免責も業者の意見を参考にするので、細かい基準はあいまいになっています。
3.個人再生後どうしても返済できない場合は自己破産を
個人再生後に返済期間の延長やハードシップ免責を利用できなくて、自力で返済することができないこともあると思います。
その場合は、自己破産の手続きをすることになります。
個人再生後に自己破産をするのには特に制限はありません。
個人再生後にどうしても返済できないようであれば、自己破産をすることをお勧めします。