- 個人再生をするとき遺産相続はしたほうがいい?
- 個人再生の手続き前に遺産相続をするデメリットとは?
- 個人再生をするときに遺産相続の分割がまだ終わっていない場合はどうなる?
など気になることがあると思います。
そこでこの記事では個人再生と遺産相続について詳しく説明していきます。
1.個人再生の手続き中に遺産相続をするとどうなる?
人が亡くなるタイミングというのは、誰にも調整できませんから、個人再生をやろうとしているときに、人が亡くなる可能性もあります。
その場合には、遺産相続がありますが、個人再生の手続き中に遺産相続を行うとどうなるのでしょうか?
個人再生の手続き中に遺産相続をしてしまうと、返済する借金額が増える可能性があります。
個人再生では借金を減額する基準として
- 清算価値による金額
- 最低弁済額基準による金額
のどちらか高い金額の方になります。
一般的に個人再生をすれば借金はおよそ5分の1になると言われていますが、これは最低弁済額基準による金額です。
しかし、財産を所有している場合は、その財産を換価した金額までしか借金を減らすことができません。
例えば、借金が500万円、資産が250万円ある場合
最低弁済額基準によれば、借金は100万円まで減らすことができます。
しかし、資産が250万円あるので、250万円までしか借金を減らすことができません。
もし個人再生中に遺産相続をした場合、財産が増える可能性があります。
300万円分の財産を手に入れたら、今までの財産にプラス300万円となります。
そうなると、個人再生をしたとき財産の分だけ返済する借金が増えてしまうというわけです。
財産が借金額を上回った場合には、借金を減らすことすらできなくなってしまいます。
2.相続放棄をすれば個人再生への影響をなくせる
個人再生の返済額の増額を防ぎたいのであれば、相続放棄をするしかありません。
相続放棄をすれば、あなたの所有する財産が増えることはないため、最低弁済額基準で借金を減額することになります。
相続放棄ができるのは遺産相続を知ってから3か月以内となっています。
それを過ぎると遺産相続ができなくなるので、早めに決断をしましょう。
・遺産相続分割協議で相続金を0円にしても意味がない
遺産相続をするときには家族で話し合って決めることがあります。
相続放棄の手続きが面倒だからと言って、話し合いで相続を0円にする場合があります。
個人再生で返済額の増額を防ぎたいのであれば、正式に相続放棄をする必要があります。
遺産相続分割協議で相続をなくしても、それは相続放棄とは異なり、手続き上相続したことになってしまいます。
相続をしたのであれば裁判所は法定相続分が財産と判断します
例えば、1000万円の財産を兄弟で分ける場合、遺産相続分割協議で兄1000万円弟0円に分割したとしましょう。
この時弟が個人再生の手続き中だった場合、債権者によってこの相続は否認されます。
結果として、法定相続分である500万円が清算価値となります。
つまり、最低でも500万円は借金の返済をしなければいけなくなるというわけです。
なので、遺産相続の個人再生への影響をなくしたいのであれば、しっかりと相続放棄を行いましょう。
3.個人再生をするときに遺産分割が終わっていない財産はどうなるのか?
個人再生の手続き中にいきなり両親が亡くなり遺産相続が起こることもあります。
せっかく面倒な手続きをしたのに、遺産相続のせいで借金が減らないというのは避けたいですよね。
ただ遺産相続をするときには、すぐに誰がどれくらい相続するかを決めることは難しいですよね。
話し合いで決めようと思っても、揉めて時間がかかる場合があります。
正式に相続されない場合、個人再生の返済額への影響はどうなるのでしょうか?
結論を言いますと、正式に遺産相続をしなくても借金の返済額は増額する可能性があります。
また仮に意図的に保留している場合についても、返済額は増額する可能性があります。
正式に遺産相続をしない場合には、法定相続分を基準として清算価値を決めるようになっています。
遺産相続の話し合いで決まらないという場合でも、個人再生の返済額の増額は防ぐことはできないので注意しましょう。