財産を贈与後に自己破産してもいいのか?名義変更はあり?

自己破産 財産贈与

  • 妻に持ち家やマンションなどの不動産を贈与後に自己破産するのはありなのか?
  • 子供に財産を贈与した後に自己破産してもいいのか?
  • 自己破産前に生前贈与をしてもいいのか?
  • 不動産の名義を変更してから自己破産をすれば、不動産を守れるのか?

など気になることがあると思います。

そこでこの記事では自己破産と贈与について詳しく説明していきます。

1.財産贈与後に自己破産するのは問題ないのか?

「自己破産をするときに家や土地などを妻に贈与しておきたい」
「両親から家を生前贈与してもらった後に両親の自己破産を行いたい」
「車の名義変更をしてから自己破産をする」

など自己破産をする前に自分の財産を少しでも残しておきたいと考える人は多いです。

確かに自己破産をすると財産が没収されるので、少しでも手元に残しておきたいという気持ちは分かります。

 

しかし、不動産や車などの財産の贈与後に自己破産をするのは詐害行為に該当します。

そのため自己破産前の贈与自体を取り消される可能性が高いです。

 

民法424条1項によるとこのように書かれています。

「債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした法律行為の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その行為によって利益を受けた者又は転得者がその行為又は転得の時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、この限りでない。」

つまり、債権者に不利益を与えるつもりで財産贈与した場合には、贈与を取り消すことができるというものです。

自己破産前に生前贈与しても結局意味をなさないということになります。

・自己破産前の生前贈与は財産隠しに当てはまる場合も

自己破産をするときに財産隠しに当てはまると、免責が認められなかったり、詐欺破産罪として逮捕される可能性があります。

破産法第252条によると免責不許可事由はこのようになっています。

第二百五十二条 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。
一 債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。

自己破産をするときに、意図的に財産を隠したり移動させたりすると、免責不許可事由に当てはまるというわけです。

せっかく自己破産をしても免責が認められなかったら借金はチャラになりません。

 

また詐欺破産罪については破産法第265条1項によるとこのように書かれています。

「手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者(中略)について破産手続開始の決定が確定したときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第1号 債務者の財産(中略)を隠匿し、又は損壊する行為
第2号 債務者の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為
第3号 債務者の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為
第4号 債務者の財産を債権者の不利益に処分し、又は債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為」

詐欺破産罪に該当した場合「10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金」が科せられます

 

このように生前贈与後に自己破産をするというのは非常に危険です。

借金の返済が苦しくなってきたときに生前贈与で財産を移すのはやめておいた方がいいです。

自己破産をしても結局取り消されますし、場合によっては財産隠しを疑われ免責不許可事由に当てはまったり、破産詐欺罪として逮捕される可能性があります。

 

もし財産を手元に残したいのであれば、自己破産以外の方法で借金を整理するという方法もあります。

任意整理や個人再生では財産を没収されません。

自己破産以外で借金を整理できるかどうかは、あなたの借金・収入状況によって異なります。

本当に自己破産する必要があるのか気になるなら、とりあえず借金減額シミュレーションを使っていくら借金が減るのかだけでも調べることをお勧めします。

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2.財産を贈与後どれくらいで経過すれば自己破産してもいいのか?

結論から言いますと、20年間は贈与の取り消しがされる可能性があります。

 

民法426条によるとこのように書かれています。

「第四百二十四条の規定による取消権は、債権者が取消しの原因を知った時から二年間行使しないときは、時効によって消滅する。行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。」

債権者が不動産や車などを贈与したことを知ってから2年間

もしくは、贈与してから20年間経過したときに時効として消滅します。

基本的に債権者に財産贈与をしたことを伝える人はいないので、最大で20年間は財産贈与しても取り消される可能性があるというわけです。

 

ただ借金をする前で生活に余裕があるときに親が子供に財産を渡したという場合であれば、取り消されることもありません。

あくまで詐害行為取消が行われるのは、債務者に対して損害を与える場合なので、借金をしていない時期であれば、損害もないもないと思われます。

 

財産を没収されたくない場合には、自己破産以外の方法で借金を整理する必要があります。

自分では自己破産しかないと思っていても、借金状況によっては自己破産をしなくてもいい場合もあります。

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