自己破産後でも遺産相続は可能?破産前後で影響が全く違う!

自己破産 遺産相続

  • 自己破産後は遺産相続できるのか?
  • 自己破産前に遺産相続すると遺産を没収される?
  • 遺産相続してしまった借金は自己破産できる?
  • どのタイミングで遺産相続をするのがベストなのか?

など気になることがあると思います。

そこでこの記事では自己破産前後の遺産相続について詳しく説明していきます。

1.自己破産後でも遺産相続できるのか?

遺産相続によって、多くの財産を手に入れることができる人もいるかと思います。

自己破産をしたにもかからわず、多額のお金を遺産で手に入れることは問題ないのでしょうか?

結論から言いますと、自己破産後であれば遺産相続しても財産を没収されることはありません。

厳密に言うと「破産手続き開始決定後」であれば遺産相続しても大丈夫です。

 

破産手続き開始決定後に得た財産は「新得財産」と言って、自己破産で没収される財産とは別物になるのです。

自己破産をした人が起業して膨大な財産を築いたとしても後になってから借金返済をしなければいけないなんてことにはならないのと同じです。

これは遺産相続で得た財産も新得財産になります。

なので、近い将来遺産相続しそうという人は、今のうちに自己破産の手続きをしておいた方が将来的に手元に残る財産が多くなります。

2.自己破産開始決定前に遺産相続すると財産没収の可能性大!

自己破産の申し立て前の遺産相続であれば、いろいろな対応がとれます。

しかし申し立て後から破産開始決定が出る前に遺産相続をしてしまった場合、相続する遺産は自己破産の対象となってしまいます。

もしプラスの遺産があれば、問答無用で没収されてしまうというわけです。

また遺産相続をして財産を得ると、同時廃止で手続きを行うことは難しいです。

管財事件として扱われて、破産管財人のもと詳しい財産調査を行われることになり、余計な費用や時間がとられることになります。

自己破産手続きをする直前の遺産相続が最悪のパターンとなります。

・自己破産の手続き後に名義を変えたり、財産を受け取ることはできないのか?

自己破産後であれば、遺産相続しても手元に残せるのであれば、相続するタイミングを自己破産後に変更すればいいのではないかと思うかもしれません。

しかし、遺産相続のタイミングは「被相続人の死亡」のタイミングです。

両親が亡くなった時点で遺産相続をすることになるのです。

そのため相続のタイミングを自己破産の後に変更するなんてことはできません。

万が一、遺産相続があったのにその事実を隠し自己破産の手続きを行った場合、財産隠しで詐欺破産罪になります、

破産法第265条1項によるとこのように書かれています。

「手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者(中略)について破産手続開始の決定が確定したときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第1号 債務者の財産(中略)を隠匿し、又は損壊する行為
第2号 債務者の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為
第3号 債務者の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為
第4号 債務者の財産を債権者の不利益に処分し、又は債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為」

詐欺破産罪に該当した場合「10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金」が科せられます。

また免責が認められないので、借金が残る形になります。

3.自己破産前に遺産相続するなら財産状況をチェックする

自己破産を検討している段階で遺産相続があった場合、遺産相続で得られる財産を必ずチェックしてください。

財産の金額によっては借金を返済できる可能性があります。

例えば、家を相続した場合、その家を売却することで借金を返済することができます。

借金の全額は無理でも大きく減らせれば、自力での返済が可能になるかもしれません。

また任意整理や個人再生といった債務整理で借金を整理することができる場合もあります。

 

ただ遺産があまりなかった場合、相続をしても借金返済ができないこともあります。

その場合には相続したお金をうまく調整して20万円以下の額が手元に残るようにすれば、同時廃止で自己破産の手続きができます。

同時廃止で自己破産をすることで、短期間で免責が認められることになります。

また相続放棄した場合には、他の家族に遺産を多く残すことができます。

このように、自己破産検討中に遺産相続するという場合には、状況によって難しい判断が必要になります。

なので、もし借金の返済が苦しくて自己破産を検討しているのであれば、遺産相続することが分かった時点で弁護士に連絡をしたほうがいいですよ。

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4.遺産の中に借金がある場合の相続には要注意!

自己破産で没収される財産や帳消しになる借金は破産手続き開始決定前のものに限られます。

もし破産手続き開始決定後に遺産相続をする場合は、遺産がプラスになるのか、マイナスになるのかに注意しなければいけません。

遺産相続では不動産や預金、株式などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も引き継ぐことになります。

自己破産を1度した場合、7年間は再び自己破産の手続きを行うことはできません。

せっかく自己破産で借金を0にしたのに遺産相続のせいで、また借金を抱えることにならないようにしてください。

・遺産に借金がある場合には相続放棄を

プラスの財産よりもマイナスの財産の方が多い場合には、相続放棄をすることで、借金を背負うことはなくなります。

相続放棄は相続できることが分かってから3か月以内となっています。

相続放棄の手続きを行わない場合には、自動的に相続したことになるので、忘れずに手続きを行いましょう。

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