- 自己破産の同時廃止の場合の費用はいくらかかる?予納金や弁護士費用はいくら?
- 同時廃止の自己破産の場合どれくらいの期間で手続きが終わる?
- 自己破産が同時廃止になる基準と管財事件になる基準とは?
- 自己破産が同時廃止のなる確率は?どれくらいの割合が同時廃止なのか?
- 免責不許可事由があると同時廃止で自己破産はできないのか?
など気になることがあると思います。
そこでこの記事では自己破産の同時廃止について詳しく説明していきます。
1.自己破産の同時廃止にはたくさんのメリットがある
自己破産の手続きには管財事件と同時廃止に2つの種類があります。
管財事件の場合は、破産管財人が選出され財産の調査や換価などが行われます。
破産管財人のために高額な予納金を納める必要があります。
それに対して、同時廃止の場合は、破産管財人が選出されません。
そのため自己破産で免責が認められるまでの期間は短くなり、予納金の金額も安くなります。
2.自己破産が同時廃止の条件とは?管財事件になる分かれ目とは?
同時廃止にする基準は厳密な話をすると、裁判所ごとに異なります。
そのため似たような条件でも他の人は同時廃止で手続きができたのに、自分はできなかったなんて場合もあります。
そのため地域の弁護士に相談することが重要になっています。
一般的な同時廃止の条件は、破産法第二百十六条で定められています。
第二百十六条 裁判所は、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産手続開始の決定と同時に、破産手続廃止の決定をしなければならない。
引用:破産法
この内容を分かりやすく説明すると同時廃止になるのは、管財事件として扱うほどの資産がないというのが大きな基準となっています。
財産がないのに管財人をつけても、はっきり言って無意味だからです。
・20万円未満の財産であれば同時廃止の可能性が高い!
どれほどの資産ならば許されるのかをもう少し具体的に説明すると、一つの基準として20万円というのがあります
例えば、貯金が20万円未満であれば、同時廃止を行えるということです。
というのも、少額管財の場合には20万円の費用がかかります。
少額管財すらもできないようであれば、同時廃止とするしかないという形になります。
この時、1つの項目ごとが20万円以下であれば同時廃止を行える可能性が高いです。
例えば、貯金が15万円、保険の解約金が15万円、車の価値が10万円の場合は合計すると40万円になりますが、それぞれが20万円以下なので同時廃止を行えます。
ただ厳密な話をすると、20万円を超える財産があっても場合でも、自由財産の拡張を使うことで同時廃止でも大丈夫なこともあります。
細かいやり方は依頼する弁護士に相談をしてみてください。
・免責不許可事由にあてはまる場合は、同時廃止ではなく管財事件になる
同時廃止で自己破産ができるかどうかの基準については、もう一つ免責不許可事由に当てはまるかどうかがあります。
免責不許可事由にあてはまる可能性がある場合には、破産管財人をつけて詳しく調査を行う必要があります。
そのため同時廃止ではなく管財事件で自己破産を行うことになります。
例えば、
- 自分の趣味のためにお金を浪費して借金を作った場合
- ギャンブルにはまって作った借金の場合
- 財産を隠している可能性がある場合
- 過払い金が発生している可能性がある場合
- 自己破産の手続きを行う前に一部の債権者だけに返済している場合
などがあります。
ただ管財事件になることは悪い話でもなく、本来であれば免責が認められない場合でも、裁量免責で免責を認めてくれる可能性があります。
免責不許可事由に当てはまる可能性があるからと言って、自己破産をするのを諦めないほうがいいですよ。
・持ち家やマンションなどの不動産がある場合に同時廃止は無理?
自宅などの不動産がある場合には、基本的に管財事件となり50万円近くの予納金を納める必要があります。
しかし、住宅ローンを組んでいる場合、住宅ローンの残高がとても大きな額の場合ってありますよね。
それだと実質的に資産がない状態とみなすことができるので、同時廃止を行うことができることもあります。
もう少し厳密な話をすると、オーバーローンの状態で、不動産の価格の1.5倍以上のローンが残っている場合に同時廃止ができます。
オーバーローンとは、不動産の価値よりもローンの残高の方が大きい状態を指します。
例えば、1000万円の価値の不動産ならば、ローンの残高が1500万円以上ある場合には、自己破産をしたときに同時廃止で手続きを行える可能性があります。
不動産価格の何倍以上のローンが残っている場合に同時廃止できるかは、裁判所の判断で決まります、
なので、住宅ローンが残っている場合には、同時廃止手続きができるかどうかを一度弁護士に聞いてみることをお勧めします。
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3.自己破産が同時廃止手続きになる割合や確率はどれくらい?
個人の自己破産の場合、一時は9割近くが同時廃止で自己破産をすることができました。
しかし、最近の傾向としては、同時廃止手続きよりも管財事件で自己破産を行う確率が高くなっています。
そのため現在では以下のような確率で同時廃止となっています。
- 同時廃止:約72%
- 管財事件:約28%
※自己破産総数:61052 同時廃止:43712 管財事件:17339
参考:平成29年破産既済事件数
同時廃止の手続きは、あまりに簡略化され過ぎているので、本来であれば管財事件で行うのがまっとうな形です。
今は20万円ほどあれば、少額管財で自己破産ができるので、ハードルも少し低めになっています。
同時廃止で自己破産を行いたいのであれば、ますます自己破産に詳しい弁護士を頼る必要性が高まっています。
4.自己破産の同時廃止の場合の費用はいくらかかるのか?
同時廃止の場合は、管財事件と比べて大幅に安い金額で申し立てを行うことができます。
合計の値段は、16000円ほどです。
※厳密な金額は裁判所によって異なる
管財事件となると少額管財になっても20万円かかることを考えると、かなり手ごろな値段で自己破産を行えるようになります。
資産がほとんどない場合には、同時廃止を利用したほうがいいでしょう。
・弁護士に頼まず自分で自己破産の手続きをしたほうが安い?
自己破産費用と弁護士費用は別です。
弁護士費用は同時廃止手続きだからと言って安くなるわけではありません。
自己破産の弁護士費用の相場は20~40万円ほどとなっています。
これだけお金がかかるのであれば、自分で手続きをしたほうが安いと思うかもしれません。
しかし、自分で自己破産の申し立てをした場合、管財事件になる確率が上がります。
そうなると最低50万円の費用がかかることになります。
それに対して、自己破産に詳しい弁護士であれば、同時廃止手続きにするコツなどをよく知っています。
なので、結果として弁護士にしたほうが安く済むこともあります。
仮に管財事件になっても弁護士に依頼すれば少額管財で20万円ほどになるので、それほど大きな金額差は出ません。
4.自己破産の同時廃止手続きの場合の期間はどうなっている?
同時廃止は、破産の手続き開始と同時に破産の手続きが終了するというものです。
財産の調査を行う必要がない分、管財事件と比べて手続きが2か月程度早く終わります。
なので、おおよそ3~4か月程度で手続きが終了します。
管財事件となると1年以上もかかることがあるので、それに比べるととても早く終わることが分かりますね。
まとめ
同時廃止をすれば、費用が安く手続きも早く終わるので、非常に楽に自己破産をすることができます。
ただ基準があいまいなところが多いので、なるべく弁護士に破産の依頼をした方がいいですね。
自己破産に詳しい弁護士に依頼をした方が結果的に、費用が安くなることはよくあることなので、一度弁護士に相談してみてください。
とはいえ、いきなり弁護士に相談するのはハードルが高いと思います。
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利用したからと言って必ず依頼しなければいけないわけではないので、試しに使ってみることをお勧めします。